[移住体験記]緑と踊りと雪の街、秋田県羽後町に移住体験してみた

eye catch 田舎暮らし

みなさんこんにちは。
こわがりパパこと「のマンボウ」です。

今回は、将来の移住先探しの一環として、秋田県羽後町で移住体験をしてきましたので、移住体験を通して羽後町について分かったことや感じたこと、移住体験申し込みの流れについて紹介します。

1週間という短い期間かつ、夏だけの経験からの紹介になる為、記載している情報に偏りや不足があるかもしれませんが、羽後町に興味の有る方や、移住に興味がある方の参考になればと思い記事にまとめさせていただきます。

この記事の結論

・羽後町の良いところ
 - 地域の伝統を大切にしている
 - 街の中心部は街灯が多く夜でも歩きやすい
・羽後町の残念だったところ
 - スーパーなどの生活必需品を購入できる店が町の中心部にない
– 自然がありのまま過ぎて触れ合うことができなかった
 - 近くに程よい規模の都市がない

秋田県羽後町ってどんな町?

羽後町は秋田県の南部の中央に位置する街で、人口は約1.3万人ほど、町の東側は湯沢市、北側は横手氏、西側は由利本荘市と接しています。

町のキャッチフレーズは「緑と踊りと雪の街」です。

キャッチフレーズの通り町の東側は一面の田畑が、西側は高原地域となっており手つかずの自然を感じることができます。町内の田畑では米や枝豆、特産品のスイカなどが栽培されています。

また、日本三大盆踊りの一つでユネスコ無形文化遺産に登録されている「西馬音内(にしもない)盆踊り」は羽後町で約700年前から踊られてきた伝統行事です。2024年は8月16日~8月18日の間で開催されました。
西馬音内盆踊りの様子はYoutubeでも見ることができますので、興味の有る方は是非見てみてください。

以上が「緑と踊りと雪の街」羽後町の概要です。

羽後町の気候

羽後町の気候について東京都新宿区と比較してみました。

気温

一年で一番気温が高くなる8月と一番気温が低くなる2月の気温を比較します。

8月の気温の比較
平均気温は羽後町の方が新宿区より約3℃低いですが、平均最高気温は約1度程度しか差がなく、ほとんど同じと言えます。
平均気温の差は平均最低気温の差によるもののようです。
ただ、今年の夏は(も?)猛暑だったせいか、私が羽後町に滞在していた8月の中旬は夜になっても蒸し暑く、平均最低気温20℃のような心地の良い気温ではありませんでした。。。

また、この気温の傾向は長野県青木村と同じであるため、地域の差というより都市と地方の差であると考えられます。

長野県青木村での移住体験については以下の記事をご覧ください。

2月の気温の比較
平均気温は羽後町の方が新宿区より6.5℃低く、夏場に比べて気温の差が広がっています。
一方で、最適気温-4.5℃は昼夜の寒暖差の激しい盆地などであれば西日本でもあり得る気温である為、寒さについては、過度に警戒する必要はないのではないかと感じます。

秋田県羽後町東京都新宿区
8月平均気温24.4℃27.1℃
8月平均最高気温29.6℃30.9℃
8月平均最低気温20.3℃24℃
2月平均気温-0.9℃5.6℃
2月平均最高気温2.4℃9.7℃
2月平均最低気温-4.5℃1.9℃
秋田県羽後町と東京都新宿区との気温の比較、平均気温ナビより引用

降水量

羽後町と新宿区の降水量をグラフにまとめました。データは気象庁の過去の気象データ検索より検索したデータを引用しています。(外部リンク)

降水量の比較グラフからすぐにわかることは、やはり冬季の降水量は羽後町が圧倒的に多い=雪が多いということです。

羽後町は特別豪雪地帯に分類されており積雪が非常に多い地域です。西側の高原地域では2~3mほど、町の中心部でも1mほどの積雪があります。

一方で春先から初夏にかけて、そして台風シーズンの秋の降水量は新宿区と比べて少ないことが分かります。

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羽後町での生活情報

①生活必需品の購入

羽後町内にはマックスバリューやDCM、ツルハドラッグや薬王堂などの生活必需品を取り扱う店舗があります。これらの店舗は町の中心部から車で約5分、徒歩でも15分程度の場所にあります。

また、田舎によくあることですが、スーパーやホームセンターなどの商業施設が同じ敷地内に集約されている為、複数店舗で買い物をするのにあちこち行かずに済むようになっています。

一方で、徒歩15分とはいえ、冬季には1m近くの積雪がある地域ですので、冬季の買い物には車の使用が不可欠だと考えられます。(そもそも車がないと何もできない地域です。)

2024年5月までは町の中心部である「かがり火広場」の前にバザールという羽後町発祥のスーパーマーケットがあったようですが、人口減少に伴う売り上げの減少により閉店してしまったとのこと。

②飲食店

外食をあまりしなかったので、正しい情報か分かりませんが、地元の方が日常的に使うような飲食店は少ない印象を受けました。店舗はあっても外から見た感じでは営業しているのかどうかが分からない店が多かったです。新しく開店したお店は少なく、全国チェーン店も湯沢や横手まで行かないとありません。

一方で、羽後町名物の西馬音内そばのお店が町の中心部に何店舗かありますが、こちらは観光客でにぎわっており、行列ができているお店もありました。
西馬音内そばとは、つなぎにふのりを使用したのど越しの良い滑らかなそばに、冷たいだし汁をかけて冷やがけで食べるそばです。
私も羽後町滞在中に西馬音内そばを食べましたが、暑い夏のお昼ご飯にはぴったりなさっぱりしていて、のど越しも良く「飲めるそば」だと思いました。とても美味しかったので、羽後町に移住したら年数回は食べに行きたいと思いました。

他にもの羽後町名物はたくさんありますので、ぜひ羽後町ウェブサイトにて確認してみてください。

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また、横手焼そばが有名な横手市が近い影響か、町内には焼そば店が何店舗かあります。
先ほどのそば屋さんとは異なり、こちらは地元の方が多く利用していました。
実際「子供のときから通ってる」人も多いとのこと。
私は太陽食堂という町の中心部にある焼そば専門店で食事をさせていただきましたが、地元のお客さんのテイクアウト注文がひっきりなしに入っており、地元密着のお店という感じでした。(西馬音内盆踊りの初日だったせいかもしれませんが)

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③子供と遊べる場所

図書館

町の中心部に図書館があります。規模は大きくありませんが、館内はキャラクターの人形などで飾り付けられており、子供が喜びそうなかわいい内装になっていました。
図書館の横には市民ホールのような施設が併設されており、ここでは時々イベントが開催されているようです。私の滞在中には子供向けの縁日が開催されていました。

公園

街中にあるような遊具があったり、子供たちが走り回ったりできる公園は少ないと感じました。五輪坂アルカディア公園という大きい公園がありますが、そこ以外に目立った公園は有りません。

子供が少ないからなのか、羽後町の子供たちは公園などなくてもどこでも遊ぶことのできる力を持っているからなのかは、今回の滞在期間中では分かりませんでした。

五輪坂アルカディア公園は下の画像のように広い芝生の広場に遊具があり、私の子供たちは暑さを気にせず楽しそうに走り回って遊んでいました。(羽後町ウェブサイトより引用)

公園内には遊具や芝生広場だけでなく、釣りのできる堀や、人工の小川があると記載ありますが、小川はよどんでおり、とても水遊びができるような状態ではありませんでした。

子供たちが水遊びをしたいと言い出したため、羽後町で水遊びが出来そうな場所を探してみましたが、残念ながら見つけることができませんでした。

実際に羽後町に滞在してみた感想

約1週間の移住体験を1度しただけでは、その町の魅力や残念なところのすべてを感じることは難しいかもしれませんが、私の感じた羽後町の良いところ、残念なところを紹介させていただきます。

羽後町の良いところ

(1)地域の伝統を大切にしている

羽後町で移住体験をして一番「いいな~」と感じたところは、町の伝統文化を大切にしているところです。

西馬音内盆踊りでは「この町のどこにこんなに人がいたの?」というくらいたくさんの踊り手達にが700年続く盆踊りを踊る圧巻の光景を目にすることができます。おそらく町外に出ていても、盆踊りを踊る為にお盆休みに帰省してくる人もいるのだと思います。

また、昔からのお店に地元の常連客が多く訪れている光景を目にすると、住民一人一人が羽後町の歴史や伝統を大切に守っていこうとしてい様を感じることができます。

昨今ご近所付き合いが希薄になっていく社会的な流れがあったり、都会であれば街の新陳代謝が良いために古い店が消えて新しい店がどんどん開店するような環境にいると、街の文化をその街の住民全体で大切にしていこうとしている雰囲気の有る街は素敵だと感じますし、自分もその仲間に入れてもらえたらどんなに楽しいだろうかと思います。

人付き合いやローカル・ルールには煩わしさもありますが、都会とはひと味違う密度の濃い人生を送る為には、そこに住んでいる人たちが、その街を誇りに思い伝統を守っていこうとしている環境は不可欠なものではないかと考えます。

(2)街の中心部は街灯が多く夜でも歩きやすい

羽後町の中心部(以下の画像で赤で囲われている部分)は街灯が多く以下の写真のように夜でも明るいため、夜中に一人で歩いていても怖さを感じませんでした。

言い方が悪いですが、秋田の小さな町でここまで夜明るいのには驚きました。

area
city center

羽後町の残念なところを

(1)スーパーマーケットが町の中心部から少し離れたところにしかない

羽後町にはマックスバリュがあることを先述しましたが、秋田らしさを感じる品揃えを感じたいのであれば、湯沢市にあるバザールやグランモールまで行く必要があります。これらのスーパーマーケットまでは車で10分以上走る必要があり、少し面倒です。

羽後町で買い物を済ませることは可能ですが、選択肢はなく、自分好みのお店を探す楽しみが無い点が残念でした。(田舎はどこもそうなのかもしれません)

(2)自然がありのまま過ぎて触れ合えない

羽後町は自然が豊かな町ではありますが、自然と触れ合えるように整備された公園などの遊び場は多くありません。私のような街育ちのもやしマンボウや、小さな子供にとっては東北の山の自然の力が強大すぎて自然と触れ合うことすらできませんでした。(車を降りると襲い掛かってくるアブ等の虫との戯れは除きます)

美しい豊かすぎる自然が目の前にあるのに、拒絶されているような感じがしてしまい、以下に自分が”管理された”自然とのみ触れ合ってきたのか感じるとともに、この自然資源を観光や街づくりに活かしきれていない状況を残念に思いました。

(3)近くに程よい規模の都市が無い

個人的には人口20万人程度の都市が仕事、買い物や生活インフラの充実の面で程よい規模であると考えています。

この規模の街が近くにあると、羽後町のような自然が多い環境で田舎暮らしを楽しみながら、仕事や買い物は都市部で済ませることができる為、地方移住へのハードルが大きく下がると考えます。

羽後町の近くの自治体とその人口は以下の通りです。残念ながら羽後町の周辺には程よい規模の都市は有りません。最も近い「程よい規模の都市」は秋田市で人口は約30万人となりますが、車で片道1時間40分もかかります。この所要時間は平日の通勤時間帯に高速道路を使用しての所要時間になるので、仕事・通学やちょっとした買い物などで秋田市に行くことは難しいと考えられます。

周辺自治体湯沢市横手市由利本荘市秋田市
人口約4万人約8.2万人約7.3万人約30万人
羽後町周辺自治体の人口

羽後町への移住体験の流れ

最後に、羽後町での移住体験の流れや、移住体験住宅の様子について、実際に移住体験をした経験から解説をしていきたいと思います。事務的な申し込み方法などは羽後町のウェブサイトを見ていただければわかるので、本ブログではネットでは分からなかったことを中心に、今後、羽後町の移住体験に申し込みをされる方に向けて記載したいと思います。

①申し込み

利用申し込みについての詳細は、先述の羽後町のWebページを確認してください。
簡単に申し込みの流れを説明すると、まず、メールか電話で体験住宅の空き状況を確認し、希望する期間に空きがあれば申請書類と事前アンケートをメールで提出します。

事前アンケートでは滞在中の予定や、なぜ羽後町の移住体験に申し込むのか等が聞かれます。「事前に気になることがあるか?」や「聞いてみたいことがあるか?」という回答項目がありますが、移住体験開始前にメールで回答頂いたり、現地での説明は有りませんでした。
(私も、そういう質問をしていたことすら忘れていましたが・・・)

また申請書提出時に、農業体験や街のガイドなどのオーダーメイドツアーに申し込むこともできます。私は、初めての羽後町の移住体験だったため、まずは町の雰囲気を知ることをに集中したいと思い、オーダーメイドツアーには申し込みませんでした。

オーダーメイドツアーの内容
・町内の公共施設や観光名所の案内
・空き家バンク物件の内見
・職業紹介所の案内
・農業体験
・雪かき、雪下ろし体験(冬季限定)
・こども園や学校の見学
・先輩移住者との交流

寝具は備え付けのものが無いため、レンタルになります。レンタルの申込書も移住体験住宅の利用申込書と同時に羽後町の担当者に提出すれば、移住体験開始日までに体験住宅に布団を届けてもらえます。

私は、奥さんと、4歳、2歳の子供と家族4人で寝る為に2セット(敷布団、シーツ、枕、タオルケット)を6泊レンタルして7040円でした。
ただ、レンタル布団はシングルサイズだった為、家族4人が2枚の敷布団で寝るには小さすぎました。
2階にベッドがあるので、私はそこで寝ました。マットレスは敷いてありますが堅いので寝心地は良くありません。

②移住体験開始

移住体験開始日は15時に移住体験住宅に来るよう指示されます。
体験住宅の場所は以下の地図の場所、道の駅から道路を挟んだところにあります。道の駅の駐車場から西側をみると「移住体験住宅」と大きく書かれている看板が見える為、場所はすぐにわかると思います。

15時になると移住支援員さんが来られますので、鍵を受取り、体験住宅の説明や施設利用料の支払いなどの事務的な説明を簡単にしていただけます。
施設利用料の支払いは役場の窓口か北都銀行の窓口にて行う必要があるとのことで、平日、時間を作って支払いに行かなければいけません。

移住支援員さんは口数が少ない方なので、聞きたいことがあればこちらからガツガツ質問攻めにしないといけませんでした。

また、最初の説明の後に羽後町とその周辺自治体の観光パンフレットを大量にいただけるので、
滞在期間中の予定を考える際に活用できます。(わざわざガイドブックを持っていかなくてもいい!)

③移住体験終了

特にこちらから指定しなければ、10時ごろに移住支援員さんが来られて、室内の状況確認を行い、問題なければ鍵を返却して移住体験終了となります。

室内の確認は結構あっさりですが、体験住宅を使わせていただいた感謝の気持ちを込めて頑張って掃除しましょう。

さいごに

羽後町の移住体験では、町側は結構塩対応でしたが、個人的にはこれくらいの塩対応の方がオーダーメイドツアーへの参加を強制されるよりもありがたいです。

最後にもう一度、羽後町の良いところと、残念だったところを纏めます。
[羽後町の良かったところ]
・生活の中心となる市街地はコンパクト
・町の中心部は街灯も多く夜でも歩きやすい
・地域の伝統を大切にしている
[羽後町の残念なところ]
・スーパーが町の中心部から少し離れている
・自然がありのまま過ぎて気軽に触れ合える場所が無かった
・近くに通勤や通学にちょうどいい規模の都市が無い

この記事を読んで少しでも秋田県羽後町に興味を持って頂けたら、ぜひ移住体験に申し込みをしてほしいと思います。
それくらい、羽後町は素敵なところでした。
(この記事は秋田県羽後町の広告を意図したものではありません。)

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