みなさんこんにちは。
こわがりパパこと「のマンボウ」です。
今回は、将来の移住先探しの一環として、長野県青木村で移住体験をしてきましたので、移住体験を通して青木村について分かったことや感じたことの報告をさせていただきます。
また、青木村での移住体験を検討している方のために移住体験の流れについても紹介します。
一週間という短い期間の体験から感じたこと等の紹介になる為、記載している情報に偏りや不足があるかもしれませんが、青木村に興味の有る方や、移住に興味の有る方の参考になれば良いなと思います。
この記事の結論
青木村の良かったところ
- 古き良き日本の里山を連想させる自然に囲まれた環境で生活することができる
- 都市とのちょうどいい距離感を保ちながら田舎暮らしをすることができる
青木村の残念だったところ
- 生活の多くの点を隣接する上田市に依存しており、青木村に住む理由がぼやける
- 村内のほとんどの地域が土砂災害警戒区域になっている
青木村ってどんなところ?
長野県青木村は東を上田市と、西は松本市と接しており、北陸新幹線の上田駅からはバスで30分、東京からでも2時間程度でアクセス可能な位置にあります。
村の人口は2019年時点で約4000人と小さな村ではありますが、2016年に宝島社が出版した「田舎暮らしの本」のアンケート調査で「住みたい村ランキング」の一位を獲得しており、移住先として非常に注目されている村と言えます。
青木村の標高は約500m~850mほどで、西側が山岳地帯で標高が高くなっており、東に進むにつれて標高は低くなってゆきます。
西側の標高が高い地域(沓掛地区)は避暑地としても人気のある場所となっており、「青木の森」という別荘地があります。
また、村内には田沢温泉や沓掛温泉、上田市まで行けば別所温泉があります。公衆浴場であれば2024年5月時点で大人一人400円ほどで入浴することができる為、日常に温泉のある生活を送ることも可能です。
公衆浴場にいる地元の方は優しい方が多く、小さい子供を連れてお風呂に入っても嫌がられることは無く、子供に話しかけていただいたり、採れたてのシイタケをいただいたりしました(笑)
青木村の気候
青木村の気候について東京都新宿区との比較をしてみました。
気温
一年で一番気温が高くなる8月と一番気温が低くなる2月の気温を比較します。
8月の気温の比較
平均気温は青木村の方が新宿区より3℃低いですが、平均最高気温はほとんど同じです。
平均気温の差は平均最低気温の差によるもののようです。
2月の気温の比較
差が顕著なのは平均最低気温で、青木村の平均最低気温は-5.7℃で新宿区より約8℃も低いです。
平均気温も-0.5℃で新宿区よりも6℃低く、冬場はとても寒いことが分かります。
長野県青木村 | 東京都新宿区 | |
8月平均気温 | 24.1℃ | 27.1℃ |
8月平均最高気温 | 30.4℃ | 30.9℃ |
8月平均最低気温 | 19.5℃ | 24.0℃ |
2月平均気温 | -0.5℃ | 5.6℃ |
2月平均最高気温 | 5.4℃ | 9.7℃ |
2月平均最低気温 | -5.7℃ | 1.9℃ |
降水量
青木村と新宿区の降水量をグラフにまとめました。データは気象庁の過去の気象データ検索より検索したデータを引用しています。(外部リンク)
このグラフより、年間を通じて青木村の降水量は新宿区よりも少ないことが分かります。
冬場の気温が低いため青木村では冬の降水は雪となりますが、移住体験担当者のKさんのお話では積雪は数十センチから1メートル程度でそれほど多くはないとのことです。
また、主要な道路については除雪が行われる為そこまで雪に対して神経質になる必要はないようです。
青木村での生活情報
生活必需品の購入
残念ながら青木村内にはスーパーマーケットやドラッグストア等の生活必需品を購入できるお店がありません(道の駅あおきを除く)。
従って、生活必需品の購入には車で10分ほど走ったところにある上田市の店舗へ行く必要があります。町の中心部からスーパーマーケット前に設置されているバス停までは1時間に1本程度バスが走っているので、車の運転が苦手な方や、雪道の運転経験が浅い方であっても買い物は可能と考えます。
道の駅あおきは村のメイン通りである国道143号線沿いにあります。青木村産の野菜やおやき等のちょっとした軽食を購入することは可能ですが、土日などの休日は観光客でにぎわう道の駅ですので、新鮮な野菜の購入を目的に訪れる場合は平日や土日の朝早くに行くことをお勧めします。
我が家は毎日のように朝一で道の駅あおきに行き、野菜やおやきを大人買いしていました。
道の駅におやきを卸している山本のおやきさんのおやきは絶品です。道の駅の近くにも直売所があるので、青木村に行った際はぜひ立ち寄ってみてください。
飲食店
青木村の滞在期間中はあまり外食をしなかった為、正確な情報ではないかもしれませんが、村内にある外食店はほとんど蕎麦屋のようです。移住体験施設の目の前にあるバスセンターに「驛カフェ レースフェーベル」というGoogleマップで高評価のカフェがあり、こちらでもお洒落なカフェランチをすることは可能なようです。
また、移住体験住宅近くには、おそらく徒歩でいける唯一の居酒屋「炭火焼き鳥 駒」があります。何度か行ってみようと思ったのですが、やっているのかやってないのかが分かりにくかったのと、よそ者が”のこのこ”入っていける雰囲気ではなく、炭火焼き鳥を楽しむことは出来ませんでした。
飲食店のバリエーションは上田市まで行けば、ご当地グルメから全国チェーン店まで多くの選択肢の中から選ぶことができるので、外食がしたくなったら上田市へ行くのが良いかと思います。
(村役場の職員の飲み会も上田市でやることが多いようです。Kさん談)
子供と遊ぶ場所
青木村内は道の駅周辺であれば公園はありますが、村内のそのほかの地域では公園は多いとは言えないと思います。子供の遊びスポットとしては「道の駅あおき」と「リフレッシュパークあおき」がおすすめです。
道の駅あおき
正確には道の駅あおきから道路を渡った対面にある公園です。広い公園ではありませんが、写真のように大型の遊具、子供たちが走り回れる芝生、水遊びができる人工の小川があり、様々な遊びができる公園になっています。
小川は近くを流れる浦野川から水を引いており、常にきれいな水が上流から流れていました。
私が子供と訪れたのはゴールデンウイーク期間でしたが、水温はとても冷たく気持ちがよかったです。
この公園利用時の注意点ですが、公園にも駐車場はありますが、多くの方が道の駅に車を止めて公園に遊びに行くことになるのではないかと思います。
しかし、道の駅前の国道143号線交通量が非常に多い為、道路を横断する際は注意してください。
リフレッシュパークあおき
村の中心部から車で南西に5分ほど走ったところにある公園です。道の駅あおきが街中にあるタイプの公園なのに対して、こちらは自然の中で遊ぶタイプの公園になります。公園内には山の傾斜を利用して作られたローラー滑り台やアスレチックなどの遊具、釣り堀、パターゴルフなど様々な施設があり、家族連れで一日中楽しむことのできる公園となっています。
釣り堀やパターゴルフは有料施設になりますが、ローラー滑り台やアスレチックは無料で遊ぶことができます。ローラー滑り台で遊ぶ為には駐車場から軽く山登りをしなければいけませんでしたが、お尻が痛くならないように(スピードが出るように)ゴムマットが準備されているので、お尻を気にせず結構なスピードで滑ることができ、とても気持ちがよかったです。(子供たちと何度も滑って遊びました)
交通
村営のコミュニティバスが青木バスターミナル(BT)を中心として村内各地を走っています。朝夕は時刻通りの運航、昼間はフルデマンドの運航となっています。
前日までの予約が必要になりますが、自分の利用したいタイミングに合わせてバスが来てくれるため、突然の用事でもない限りは非常に利便性が高いと感じます。
また、青木BTからは上田市へ向かうバス(千曲バス青木線)が1時間に1本程度出ているので、村内から上田市へのバスでの通勤や通学も可能です。
最終バスは上田駅20:20発の為、2時間半程度の残業までは出来ます(笑)
実際に青木村に滞在してみた感想
約1週間の移住体験を1回しただけでは、その土地の魅力等をすべてを感じることは難しいかもしれませんが、私の感じた青木村の良いところと、残念なところを紹介させていただきます。
青木村の良いところ
(1)自然に囲まれた環境で生活することができる
青木村は三方を山に囲まれています。
青木村の山は、「長野県」から連想されるようなアルプスの雄大で険しい山ではなく里山です。
そのため「これぞ長野!」というような景色は見られませんが、里山だからこそ山や森などの自然と人々の暮らしとの距離感が近く、自然に包まれて暮らしているように感じることができ、非常に居心地がよかったです。
田舎暮らしに憧れる人たちが頭の中に思い描くような環境や自然との距離感が、移住体験期間中に最も強く感じた青木村の良いところでした。
(2)田舎暮らしを楽しみながら都市暮らしの利便性を享受できる
個人的には人口20万人程度の都市が人の数、仕事や買い物、生活インフラの充実具合が丁度いい都市であると考えています。
青木村自体は人口約4000人程度の小さな村ですが、車で30分程度のところに人口約16万人の上田市がある為、通勤・通学や日々の用事は都市の利便性を享受しつつ、休日等のプライベートな時間は田舎暮らしを楽しむことができるという、二拠点生活のような生活スタイルを追加コスト無しで送ることができる点に魅力を感じました。
青木村の残念なところ
(1)青木村だけで生活が完結しない
先述の通り、青木村での生活は多くの点で上田市に依存しています。私も移住体験期間中は毎日のように上田市へ行っていました。
のマンボウが上田市へ行った理由
・食料や日用品の買い出し
・外食
・趣味のパン屋巡り(青木村周辺のパン屋さんは安くてレベルの高いお店が多い!)
・ドライブ
青木村へ移住した後のことを考えると、村内で自営業を始めたり、専業で就農したりしない限りは仕事の為に上田市へ行くことになるかと思います。
ここまで生活の大部分を上田市に依存していると「上田市ではなく青木村に住む理由」がぼやけてきてしまいます。
このモヤモヤをKさんにぶつけたところ、以下のような回答をいただきました。
上田市ではなく青木村を選ぶメリットは・・・
(1)行政の対応のスピード感
青木村は小さな村の為、行政に何かを要請した時の対応が大きな市に比べて早い。この行政の対応の速さは青木村の強みと言える。実際、除雪は頻繁に行われるし、「道路に穴が開いている」といった村民からの要請にもすぐに対応できている。
(2)土地や家の価格が上田市に比べて安い
上田市への通勤通学や生活面での利便性がありつつ、上田市よりも土地の価格が低いため、家の値段が安い傾向にあるのも青木村に移住するメリットと言える。
(2)村内のほとんどの地域が土砂災害警戒区域になっている
青木村の空き家バンクに掲載されている物件を見ていると、ほとんどすべての物件で「土砂災害警戒区域」という記載があることに気づきます。
Kさんにこの件について質問したところ、たしかに村内のほぼ全域が土砂災害警戒区域に指定されているとのこと。警戒区域ではないのは村の中心部や通る国道143号線沿線くらいです。ご参考までに青木村のハザードマップから抜粋した画像を引用します。
Kさんは「自分の家も土砂災害警戒区域内にあるが、生まれてこの方土砂災害等は村内で発生していないので、そんなに神経質になる必要はないと思う」とおっしゃっていました。
しかし大雨などの異常気象が全国各地で発生している昨今の状況を鑑みると、私は、過去に土砂災害が起きていないことは、今後も起きないことの保証にはならないと思います。
従って、家(またはその為の土地)を選ぶ際には、その点にも注意をする必要があると考えます。
青木村の移住体験の流れ
最後に青木村での移住体験の流れについて、実際に移住体験をした経験から説明をします。事務的な流れ(申し込み方法等)は青木村のウェブサイトを見て頂ければわかるので、本ブログではネットではわからなかったことを、今後青木村の移住体験に申し込みをされる方に向けて記載したいと思います。
(1)申し込み
利用申し込みの詳細については、先述の青木村のウェブサイトを確認してください。
簡単に申し込みの流れを説明すると、メール or TELにて体験住宅の空きを商工観光移住課に確認し、空きがあれば予約の上、別途電子データにて申請書類を提出します。
この時「なぜ青木村での移住体験に申し込むのか」を聞かれますが、メールベースで聞かれる程度の為、簡単な回答でも十分だと思います。(青木村への熱い想いをお持ちの方は大いに語っても問題ないと思います。)
申請書の提出は使用希望日の3日前までです。申請書の提出後に移住体験施設の利用料を指定された銀行口座に振り込みます。こちらは移住体験施設の利用開始前までに行います。
移住体験施設の利用条件として空き家バンクの内見が必須となっているので、事前に空き家バンクのサイトを確認して内見したい物件の候補を担当者さんに連絡しておきます。
私たち家族は、空き家バンクに本気で住んでみたいと思える物件がなかったものの、青木村の各地区を訪問するいいチャンスだと思い、異なる地区の何件かの物件の内見の申し込みをしました。(残念なことに、私たちが希望した物件はどれも諸事情により内見が出来なくなってしまったため、結局空き家の内見はしていません。)
移住体験施設には備え付けのベッドや毛布などの寝具がある為、レンタルや持参は不要です。私たちの家族は4歳と2歳の子供2人を含む4人家族ですが、ギリギリ寝ることは出来ました。
(2)移住体験開始
移住体験開始日は、まず青木村役場に来るよう指示されます。
到着時刻はこちらの希望を聞いていただけますが、どの程度まで自由が利くかはわかりません。
私たちはゴールデンウイーク初日の土曜日の14時で対応いただきました。
移住体験開始日が土日祝日であっても対応していただけます。
役場に到着すると、青木村や移住に関する説明を受けたり、移住体験への申し込み理由などを聞かれます。また、こちらからも青木村について聞きたいことがあれば質問できます。
私たちが移住体験をした際に対応いただいたKさんはすごく気さくな方だった為、ついつい色々なことを質問してしまいましたが、一つ一つ丁寧に回答していただけました。
説明終了後に役場から移住体験施設へ移動します。移住体験施設は役場の目の前にあるので、私たちは(車で来ていれば)車で移動し、Kさんは走って先回りしてくれます。
家に着いたら鍵を受け取り、施設内部の設備の説明や、退去時の流れを説明してもらいます。
(3)移住体験終了
退去前に体験施設の掃除を行います。室内の確認は有りませんでしたが、確認が無くても体験施設を使わせていただいた感謝の気持ちを込めて頑張って掃除をしましょう。
ここで注意しなければならないことは、体験期間中に発生したごみは持ち帰らなければならないことです。ただ上田市には上田クリーンセンターがあり、土日でもごみの受け入れをしていますので、そちらに持ち込めば家までごみを持って帰らずに済みます。
退去時もこちらの希望する時刻に役場へ行き、鍵を返却します。
私たちは朝9時に役場に行きました。
その後、移住体験の感想についてのヒアリングがあります。
私は体験期間中に疑問に思ったこと等を色々質問させていただいたので、それなりの時間担当者さんと会話していたと思います。
どれ程の時間会話していたかの正確な時間は覚えていません。また、正直どれくらい会話すべきなのかはわかりませんでした。
初めての移住体験でしたが、オーダーメイドツアー等の強制もなく、自分たちのベースで青木村での生活を経験することができました。
私は人見知りなので、いきなり「先輩移住者との交流!」などと言われると身構えてしまうのですが、担当のKさんが優しい方で、こちらからの質問に対してとても丁寧に対応頂けたので、十分に青木村への理解を深めることができたと感じています。
また、最後に「今回の1回だけでなく、また季節を変えて何度でも青木村に移住体験をしに来てみてください」を言っていただけました。
ぜひ、また違う季節(今度は冬でしょうか)に青木村を訪問してみたいと思います。
この記事の結論
青木村の良かったところ
- 古き良き日本の里山を連想させる自然に囲まれた環境で生活することができる
- 都市とのちょうどいい距離感を保ちながら田舎暮らしをすることができる
青木村の残念だったところ
- 生活の多くの点を隣接する上田市に依存しており、青木村に住む理由がぼやける
- 村内のほとんどの地域が土砂災害警戒区域になっている